はじめに
腱鞘炎は、手首や指の使いすぎによって腱とその周囲の腱鞘が炎症を起こす疾患です。パソコン作業やスマホ操作、楽器演奏、育児など、現代の生活では多くの人が悩まされています。
実は、腱鞘炎の発症や回復には「栄養バランス」も深く関係していることをご存じでしょうか?
腱鞘炎と栄養素の関係、そして積極的に摂りたい栄養素について紹介します。
腱鞘炎の原因とは?
腱鞘炎は、以下のような要因で起こりやすくなります。
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同じ動作の繰り返し(反復運動)
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加齢による腱の柔軟性の低下
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ホルモンバランスの変化(例:更年期、妊娠・産後)
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炎症体質や免疫力の低下
ここに「栄養不足」や「慢性的な栄養の偏り」が加わると、腱や腱鞘の修復能力が下がり、回復が遅れてしまいます。
腱鞘炎に関係する主な栄養素
1. ビタミンB6
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働き:タンパク質の代謝を助け、神経や筋肉の健康をサポート。
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不足すると?:炎症が起こりやすくなり、回復も遅れがちに。
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多く含む食品:鶏むね肉、バナナ、サーモン、にんにく、全粒穀物
2. ビタミンC
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働き:コラーゲンの生成を助け、腱や靭帯の修復に不可欠。
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多く含む食品:赤ピーマン、キウイ、柑橘類、ブロッコリー
3. オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)
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働き:体の炎症を抑える作用があり、慢性炎症の軽減に効果的。
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多く含む食品:青魚(サバ、イワシ、サーモン)、亜麻仁油、チアシード
4. マグネシウム
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働き:筋肉のけいれんを防ぎ、神経伝達を正常に保つ。
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多く含む食品:ナッツ類、ほうれん草、アボカド、豆類
5. たんぱく質
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働き:腱や筋肉を構成する材料。損傷部分の修復に不可欠。
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多く含む食品:肉類、魚、卵、大豆製品、乳製品
意外と見落としがちな「糖質の質」
白米や砂糖などの精製された糖質を多く摂ると、血糖値の急上昇・急降下が炎症を引き起こす原因になることも。
低GI食品や全粒粉を意識することで、体の炎症レベルを抑える助けになります。
まとめ:腱鞘炎対策は「食生活」も見直してみよう
腱鞘炎と聞くと、手の使い方やストレッチばかりに意識が向きがちですが、体の内側からのサポートもとても重要です。
栄養バランスの整った食事は、腱や筋肉の健康維持だけでなく、炎症の早期改善にもつながります。
日常の疲労やちょっとした痛みが長引く前に、「食べることからのケア」も始めてみてくださいね。